留学を考えてる人

アメリカの大学は学費が高いって本当なのかな? なんでアメリカの大学は学費が高いの? どうやってその学費を払うのか教えて欲しい。

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • アメリカの大学は学費が高い』って本当か?
  • なんでアメリカの大学は学費が高いのか?
  • そんな高い学費をどうやって払うのか?

この記事を書いている僕は日本では私立大学、アメリカでは州立大学で卒業経験があります。その後のアメリカの州立大学院では授業料及び生活費の全額を奨学金にてまかないました。

というわけで、今回は『アメリカの大学は学費が高い』という噂について徹底検証します。
「アメリカの大学は学費が高いって本当か?」、「なんでアメリカの大学は学費が高いのか?」、「どうやってそんな高い学費を払うのか?」と疑問に思う人は、ぜひ記事をご覧ください。

日本の大学と比べ、アメリカの大学は学費が高いの?

アメリカの大学の学費は高い

日本の大学と比べ、アメリカの大学の学費は高いです。

アメリカの大学では、人件費に多大な予算を割いているのが実情です。ぶっちゃけ、教授陣に支払われる給料が高いのです。しかし、研究に力を注いでいるアメリカの大学は優秀な教授を、高額なサラリーで呼び寄せることにより大学のレベルアップを図っているのです。

そのため、大学の学費も高くなってしまうのです。

日本の大学とアメリカの大学の平均学費を以下に示します。

私立大学 国立大学(州立大学)
日本 131万円 82万円
アメリカ 293万円 92万円

日本と比べ、私立大学、国立大学(州立大学)とも学費が高いことが分かります。これを見る限り、『日本の国立大学とアメリカの州立大学とではそれほど学費に差がないじゃん』と思う人もいるかもですね。

しかし、ここで示しているアメリカの州立大学の学費は、その州出身の学生が進学した場合の学費になります。留学生は当然ながらその州の出身ではありませので、別額の学費になります。以下でそれを説明しますね。

アメリカの大学の学費は留学生にとって高い

留学生にとっては、アメリカの私立大学同様、州立大学の学費も高いです。

上記に示した州立大学の平均学費は、アメリカ人が自分の州にある州立大学に通う場合の学費になります。

つまり、カリフォルニア出身のアメリカ人がカリフォルニアの州立大学に入学する場合は、ぶっちゃけ安いです。これを、in-state tuition (州内学費)と呼びます。

しかし、その州以外の学生(カリフォルニア州やアメリカ以外の出身)にとっては、高いのです。これを、out-of-state tuition (州外学費)と呼びます。留学生はこのout-of-state tuition (州外学費)を払う事になります。

アメリカの州立大学は、州内の学生には優遇処置を取っているという事ですね。

以下に、田舎の州立大学(モンタナ大学)、田舎と都会の中間の州立大学(アイオワ大学)、都会の州立大学(ワシントン大学)、都会の私立大学(ハーバード大学)のそれぞれの1年間の学費を示します。ここで示している州立大学の学費はout-of-state tuition (州外学費)になります。

モンタナ大学 アイオワ大学 ワシントン大学 ハーバード大学
学費 $24,958(262万円) $31,458(330万円) $36,642(385万円) $46,340(487万円)

上記表から分かるように、私立大学(ハーバード大学)は断然留学費用が高い。都会もしくは中規模サイズの都市にある州立大学のワシントン大学やアイオワ大学では学費の差はみられず約330〜385万円。田舎の州立大学のモンタナ大学では最も安く約262万円。州外から来ている学生の学費は州内から来ている学生の学費のほぼ3倍のになってます。

『州立大学(日本の国立大学)だって全然安くないじゃん!!』と叫びたくもなりますよね。

『留学なんて金持ちしか行けねーよ!!』と吐き捨てる人がいますが、このセリフ実は的を得てるんです。

ところが、いくつかの留学サイトではin‐state tuition(その州内出身の学生の学費)を掲載して、留学生に『州立大学の学費は安いですよ』とか言っているので間違えないように。私立の学費はすべての学生に対して同額ですが、ベースとなる学費がすでにお高いです。

アメリカの大学の学費ってなんでそんなに高いの?

アメリカの大学では、優秀な教授陣をそろえる人件費に大学の予算が掛かかります。

研究活動に力を注いでいるアメリカの大学では、優秀な教授陣を集めています。その教授陣へ支払われる給料は莫大なものになるのです。

これがアメリカの大学の授業料が高額になる一つの要因です。

しかし、見方を変えれば、アメリカの大学は優秀な教授陣をそろえて、学生ひとりひとりに質の高い教育を提供しているのです。

つまり、アメリカの大学の学費の高さは、教育の質の高さの証明になっているのです。

では、日本の大学生の様に、アメリカではほとんどの学生が高額な学費を自腹で払っているのでしょうか? 答えはNoです。ではどのようにして学費を支払っているのでしょうか?

アメリカの大学の学生はどうやってそんな高い学費を払ってるの?

学費ローンや軍隊からの奨学金制度

アメリカ人が学費を支払う手段の一つが学費ローンや軍隊からの奨学金制度です。

アメリカでは、日本の様に子供の学費を親が全額払うという事はあまりありません。

高校までの学費は親が負担するが、大学からの学費は自分で何とかしなさい的な考えがあります。

大学からは、金銭的にも子供を自立させる傾向があります。

よって、学費ローンを銀行で組んで大学にくる学生もいれば、入学前もしくは入学後に軍隊に入隊するという約定付きで軍隊からの奨学金を得て大学にくる学生もいます。

潤沢な奨学金制度(スカラーシップ)

日本の育英会ように返済の必要性がある奨学金制度と違い、アメリカの大学における奨学金(スカラーシップ)は返済の必要性がありません。

このスカラーシップを取得して、大学に通っている学生も多くいます。

アメリカでは、なるべく多くの学生に教育を受けるチャンスを与えているのです。

アメリカの大学におけるスカラーシップは、大きく分けて、ニーズ・ベースとメリット・ベースの2つがあります。

アメリカの大学におけるスカラーシップ

  • ニーズ・ベース → 家庭の経済状況などから学費補助の目的で与えられる → アメリカ人学生のみ
  • メリット・ベース → 学力/スポーツ等が優秀な学生に与えられる → 留学生にもチャンスあり

ちなみに、僕の大学院留学は、奨学金(学費、学校経費、健康保険)をもらい、さらにリサーチアシスタントとして担当教授の研究サポートを遂行することで月々の生活費をもらい、約6年で博士号を取得しました。6年間の全ての経費を計算すると約4200万円。とても一般家庭で払える額ではありません。アメリカの教育制度には感謝の一言でした。

なので、留学生でも狙えるスカラーシップをゲットすることを強くお勧めします。

というわけで今回は以上です。

グローバルな環境で、質の高い教育を受けられるアメリカ留学は魅力ですが、留学費用が高い点で多くの人が留学を踏みとどまってしまいます。

しかし、アメリカの大学が提供しているスカラーシップ等を活用して留学費用を軽減させれば、あなたの留学もより現実的になるのではないでしょうか。