留学を考えてる人

アメリカ大学もしくは大学院留学を考えてるけど、アメリカの大学や大学院って年齢制限があるのかな? アラサーからの入学はクラスの中で浮かないかな? もし、25歳や30歳を超えてからの留学で知っておくべきことがあったら教えて欲しい。

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • アメリカの大学・大学院留学で年齢は気にしなくていい話
  • 25歳や30歳を超えてからの大学・大学院留学で知っておくべきことは、卒業後の就職である話

この記事を書いている僕は24歳でアメリカの大学に編入し、28歳でアメリカの大学院博士課程に進学しました。日本に帰ってから就職した時は34歳でした。

というわけで、今回は『アメリカ大学・大学院留学と年齢について知っておくべきこと』についてお話しします。
「アメリカ大学・大学院留学をかんがえてるけど、年齢が気になる」、「25歳や30歳を超えてからの留学で知っておくべきことって何だろう?」等疑問や不安がある人は、ぜひ記事をご覧ください。

アメリカの大学・大学院留学で年齢は気にしなくていい

社会人からの留学で、年齢を気にかけている方が多いと思いますが、アメリカの大学・大学院留学では年齢は気にしなくて大丈夫です。

アメリカの大学・大学院の入学年齢

アメリカの大学・大学院の入学年齢は日本と比べて高いです。

アメリカの大学や大学院では、日本の『高校 → 大学 → 大学院のストレートコース』の構図が成立しません。

アメリカの学生は、

・高校 → 就職 → 大学 → 大学院

・高校 → 大学 → 就職 → 大学院

・高校 → 軍隊 → 大学 → 大学院

など、その人によりキャリアパスは様々です。よって、大学・大学院の入学年齢も日本よりも高くなります。

以下はOECD(経済協力開発機構)の調査統計による入学年齢と25歳以上の入学者が占める割合です。

大学 大学院(博士課程) 25歳以上の大学入学者の割合
日本 18歳 26歳 2%
アメリカ 20歳 28歳 24%
世界平均 22歳 31歳 20%

日本の大学入学年齢は18歳であるのに対し、アメリカの大学入学年齢は20歳。日本の大学院(博士課程)入学年齢は26歳であるのに対し、アメリカの大学院入学年齢は28歳。25歳以上の大学入学者の割合に至っては、日本はわずか2%であるのに対し、アメリカは24%。

この数字からも、『日本の大学・大学院入学年齢の一般論』はアメリカの大学・大学院留学時の参考にはならないことが分かってもらえると思います。

日本の大学においては、アラサーの学生がクラスに居たら浮くかもしれませんが、アメリカではごくごく普通の事なので、だいじょうVです。

就労経験をアドバンテージと考えるアメリカ社会

アメリカでは、大学や大学院入学前の実務経験をアドバンテージと考えます。

その理由は、『実務経験を積んでいる場合、大学・大学院で専攻する学習が自分が将来見据えるゴールのために必要である』と明確に認識できているためです。

逆を言えば、日本の大学生の様に、『とりあえず将来のために有名大学に行くが、大学での学習目的は不鮮明』である場合、大学や大学院に行く時間が下手をすると無駄になってしまう可能性があると考えているのです。

そのため、アメリカのビジネススクールにおけるMBA(経営学修士)プログラムでは、入学出願規定の中で実務経験を要求されるケースが多いです。

この例からも分かると思いますが、アメリカの大学・大学院において、実務経験をした後に入学してくる学生は珍しい事ではありません。

加えて、『意欲を持って学習をスタートさせるのに、年齢の壁はない』と考える生涯学習理念があるアメリカでは、大学・大学院に入学してくる年齢層も幅広くなっています。

ちなみに僕がアメリカの大学に編入した時には、僕と同世代(24歳)もしくはそれ以上が30人くらいのクラス中7人くらい。大学院(博士課程)へ入学した際には、9人中4人が僕と同世代(28歳)もしくはそれ以上でしたよ。

アラサーからの大学・大学院留学で知っておくべきことは、卒業後の就職事情

アラサーからの大学・大学院留学で年齢を気にするならば、卒業後の就職に対してです。年齢が就職に対して持つ意味は、アメリカ社会と日本社会とで大きく違います。

年齢が足かせにならないアメリカ社会

アメリカ社会では、高学歴取得後の年齢が、就職の足かせになりません。

アメリカでは、専門性の高い仕事ほど、高収入です。
そして、専門性の高い仕事に就くためには、大学院に進学し、専門性の高い知識を学ぶ必要があります。

日本とアメリカの大学院進学率を比較すると、アメリカの大学院への進学率は日本の4.5倍です。それほど高い進学率を誇っている理由からも、就職にあたり専門性の高さが要求されることが分かります。

アメリカでは、自分のキャリアアップのために費やした時間が、就職においてディスアドバンテージにならないのです。

年齢が足かせになる日本社会

日本の社会では、高学歴取得後の年齢が、就職の大きな足かせになってしまいます。

日本で、『博士課程へ進学しようと思う」と言って、帰ってくる答えは「そしたら、もう企業への就職は無理だねー」。

これは、日本の企業が、入社後に、社員を育てる事に重点を置いており、専門的な知識を学生に求めていないため。つまり、大学院進学は年齢を重ねてしまうというデメリットになってしまうのです。

実際、会社の応募要項に年齢制限を設けている企業が多くみられます。履歴書の学歴欄より先に、年齢欄を見られてしまう傾向が強いのです。

留学後、日本での就職を考えるなら

留学後に、日本での就職の選択肢を考えると以下になります。

留学後の日本での就職

  • 1.会社に在籍したまま、社費で留学
  • 2.会社を休職もしくは退職し、留学後に復職、再就職する。
  • 3.キャリア採用(中途採用)枠で就職する。
  • 4.起業する。

1.会社に在籍したまま、社費で留学

会社員として会社に籍を残し、社費での留学を行い、留学後会社に戻るやりかたです。

この場合、会社に在籍したままの留学になるので、留学後の就職の心配はありません。何とも素晴らしいシステムですが、この方法は基本的に大企業のみに存在するシステムで、しかも社費留学となると相当優秀(会社にとって将来的にメリットのになる人材)でないと難しいです。

2.会社を休職もしくは退職し、留学後に復職、再就職する。

この場合、会社のお偉いさんに、『休職扱いにしてもらえないか』、『もしくは退職した場合、再就職したいので再雇用してもらえないか』などを相談してみるのも一つの手だ。会社としては、公式での確約はできないと思うが、非公式での密約はあり得る話。

もし留学後に同じ会社で働きたいなら、ダメもとで聞いてみる価値はあるよ。

3.キャリア採用(中途採用)枠で就職する。

これが最も現実的。

日本で留学前に働いていたフィールドに戻るのは理想的。アメリカ留学で得られた経験と日本で働いていた経験を生かしてキャリアアップが図れます。例えば、以前の職では国内を主に担当しており、その時の経験をベースに、これからはグローバルまで担当を広げて活躍・貢献できるとなれば、あなたのポテンシャルは上がるでしょう。加えて、あなたの働いてきたフィールドがグローバルにどんどん進出しているようなフィールドであれば、あなたのポテンシャルは、年齢のファクターを払拭できるに充分です。

僕も留学後はキャリア採用枠で外資系企業に就職しました。僕の場合は、日本での職歴がなかったので就活は結構大変でした。よって僕の場合は、

僕の日本での就職活動

  • ライフサイエンスフィールドでのキャリア(大学における研究活動)
  • アメリカ大学院留学で得た経験

を生かして、外資系の新薬臨床検査会社へ就職しました。特にアメリカ留学から帰国後、キャリア採用(日本での職歴がある場合)で就職を考えるなら、キャリアアップをを含めて外資系がおススメです。外資系は『年齢よりも実力重視』という考え方、よりアメリカに近いと思います。

最後に、僕の経験から、留学後日本での就職を困難にするファクターは、

  • 1.日本での職歴がない
  • 2.就職活動の時すでに30歳を超えている(35歳を超えている場合はかなり困難)

だと考えられます。

4.起業

アメリカ留学で得たチャレンジ精神で自分の道を切り開いていく起業こそ、アメリカ留学経験を最も生かせる働き方かもしれません。

というわけで今回は以上です。

留学への情熱で、『年齢』や「周りの目』なんてちっぽけなことは吹き飛ばして頑張りましょう。

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