留学を考えてる人

留学をしたと思ってるけど、留学って就職に有利なのかな? 日本の大学に進学するよりもメリットがあるのかな? 留学することのメリットって何だろう? 

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • 就職に関して、アメリカの大学卒業と日本の大学卒業でどちらが有利とかはない。
  • 留学のメリットは、コミュニケーション力、チャレンジ精神、実行力・主体性が得られる事。
この記事を書いている僕は、大学および大学院博士課程への留学経験あり。
その後日本で就職し、国内および外資系企業で仕事をしていました。
というわけで、今回は『なぜ留学経験が就職に対してメリットがあるのか?』についてお話しします。
「留学を考えているけど、留学で得られるメリットって何だろう?」、「留学って日本での就職に有利なのかな?」と疑問に思う人は、ぜひ記事をご覧ください。

アメリカ留学(アメリカ大卒)で得られる語学力や学位は就職へのメリットにはならない

語学留学は就職に関して有利なポイントにはならない

残念ながら、語学留学は就職に関して有利なポイントにはなりません。

その理由は、3ヵ月程度の語学留学では、ビジネスレベルの英語習得は難しいからです。だからといって、『語学留学はやめた方がいい』と言ってるわけではありません。『語学留学は見聞留学』、人生経験が積めると理解すれば得られるものも大きくなります。

採用を行う企業側も語学留学程度の語学力は求めていません。むしろ留学動機・留学目的・留学から得られた経験のほうを重要視する傾向があります。

アメリカの大学と日本の大学で学習レベルは同じ

アメリカの大学が日本の大学より学習レベルが高いという事はありません。

アメリカの大学でも、日本の大学でも、学習する内容及びそのレベルはほぼ同じです。同じ内容を英語でやるか、日本語でやるかの違い。ただ、アメリカでの大学では、語学の壁に加えて、単位取得が日本の大学より厳しいため、学習量は圧倒的に多くなります。どれ位多いかというと、想像している以上と思ってもらえればいいでしょう。

採用を行う企業側もアメリカの大学を特別視する傾向はありません。苦労してアメリカの大学を卒業しようが、日本と同じ大卒枠で取り扱います。

アメリカの大学のデメリットは高額な学費と日本の就職活動に対しての不便さ

日本の大学と比較して、学費が高いことや就職活動が柔軟にできないなどのデメリットがアメリカの大学にはあります。

アメリカでは、私立大学(ハーバードやスタンフォード)はもちろんですが、州立大学(日本の国立大学)の学費でも高額です。加えて、日本の就職活動を見据えた場合、日本にいる学生ほど柔軟に就職活動に対応できない面があります。

学費に関しては、州立大学がその州の学生には安い学費を、その州以外の学生には高い学費を設定しているためです。留学生は州以外の学生に該当するため高額になってしまいます。

就職に関しては、通常アメリカの大学の卒業は5月下旬か12月下旬。日本の大卒の様に3月卒業 → 4月入社の構図があてはまりません。つまり、卒業から入社までのタイムラグが発生してしまいます。加えて、昔に比べれば、インターネットの普及やアメリカで企業が留学生就職斡旋フォーラムを開催してくれる等柔軟になりましたが、日本にいる学生に比べて、企業側の面接などの要求に即座に対応できない等の不便さがあります。

【企業が就職希望者に求める】アメリカ留学で学ぶことのメリットとは?

『アメリカ留学が、日本で就職するにあたりメリットがあるのか?』という疑問に関しては、まず以下の記事を参照してください。

経団連が新卒学生の就職について、通年採用を拡大していく方針であることが18日、分かった。大学側と22日開く協議会で中間報告をまとめ、通年採用と従来型の一括採用に複線化していく考えを盛り込む。
 大学側は学生が卒業後に留学などに行っても、就職に不利にならないよう柔軟な採用方法の検討を要請していた。企業側も留学経験があったり、他の企業で専門知識を身に付けたりした若手人材を求めており、両者の思惑が一致した。 

この記事によると、企業は留学経験者の採用には積極的です。では、企業が留学経験者に求める能力とは何でしょうか?

語学力は重要ではない

就職するにあたり、留学で身につけた語学力はさほど重要視されません。もちろん、ないよりはある方がいいですが、ぶっちゃけ+α程度です。語学力はあくまで仕事を成し遂げる際に使う道具位に考えていた方がいいでしょう。

『企業が採用時に重視する能力』の中に、語学力はないのです。

JAOS海外留学協議会の調査結果によると『企業が採用時に重視する能力』が、以下になります。

企業が求める能力

  • 仕事への意欲
  • コミュニケーション力
  • チャレンジ精神
  • 実行力
  • 主体性

上記の中に語学力はありません。つまり就職に関して、あなたが留学で得る語学力は最大の武器にならないという事をまず認識しましょう。

留学経験者が留学を通して向上させたと実感できる能力は?

留学を通して得られる能力は、語学力に加え、コミュニケーション力、チャレンジ精神、実行力と主体性。

海外留学経験者に対するアンケートから、留学経験者が留学を通して向上させたと実感している能力が、以下になります。

留学経験を通して得られた能力

  • 語学力
  • コミュニケーション力
  • チャレンジ精神
  • 実行力
  • 主体性

上記の結果から、語学力以外は、『留学を通して得られた能力』と『企業が求めている能力』とが一致している事が分かります。

なぜ留学を通して、コミュニケーション力、チャレンジ精神、実行力や主体性などの能力が得られるのか?

コミュニケーション力

あなたがアメリカ留学をするにあたっては、すべてがゼロからのスタートとなります。人間関係構築に関しても、日本での人間関係に頼ることなく、ゼロからのスタートです。

誰も知らない土地で、自分が育った文化や環境とは違う人間と人間関係を構築していく過程で、あなたのコミュニケーション力を培かわれていきます。

チャレンジ精神

アメリカ留学を行っている時点で、あなたにはチャレンジ精神が備わっています。そして、留学した後も様々な困難にぶつかり、それを乗り越えながらの生活となります。日本に住んでいれば当たり前にできる事でも、異国においては、言葉の違いや文化の違いからすべてが挑戦になります。留学とは日々起きる困難に対し、挑戦する事の連続なのです。

その中で失敗を恐れないでください。むしろ失敗することに大きな意義があります。たくさんの失敗を経験しながら、あなたのチャレンジング精神は養われていきます。

主体性及び実行力

アメリカ留学経験者は分かると思いますが、何かしら問題や疑問が起こった時、『すべて自分で調べて、自分で決断して、自分で行動して』解決しなければいけません。

初めは、どこで調べればいいか、誰に聞けばいいか、全く分からないまま、右往左往しながら解決することになります。あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、その都度悩み、考えて、また行動する。これを繰り返していくと、いやでも行動力、主体性、失敗を恐れない度胸がついてきます。

というわけで今回は以上です。

上記に示した能力は、就職時に求められる能力というより、就職した後に必要となる能力です。企業が留学経験者に求めているのは、留学で得られる学位や語学力ではなく、留学時の困難を乗り越えて得る経験なのです。『若い時に苦労は買ってでもしろ』って事ですかね。

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